米沢 唯 平成28年度(第67回)芸術選奨文部科学大臣新人賞贈呈式が行われました
3月14日、都内にて平成28年度(第67回)芸術選奨の贈呈式が行われました。
舞踊部門の文部科学大臣新人賞を受賞した 新国立劇場バレエ団プリンシパルの米沢唯は、文部科学大臣新人賞の受賞者代表挨拶を行いました。
(受賞理由等については、こちらのニュースをご覧ください。)<米沢唯のスピーチ>
この度は身に余る賞をいただきまして、ありがとうございます。
バレエは一人で創れるものではなく、日々指導してくださる先生方、舞台裏を支えてくださるスタッフの方々、私の愛する同僚たち、そして劇場までいらしてくださる観客の皆様のお陰で、私はここに立たせていただいています。
新国立劇場バレエ団に入団して7年目。先日、初めて母に電話し、「もうやめたい」と言いました。どんな仕事もそうかもしれませんが、ダンサーは「いつかできるかもしれない」「いつか良い舞台が創れるかもしれない」と思い続ける仕事です。私は今までのどの舞台にも満足できたことがなく、「あそこはもっとこう踊りたかった」「こうできたら良かったのに」と反省し続けてきました。足りないことがあるからこそ頑張る力になるし、それが面白くて踊ってきたのですが、ふと、それに疲れてしまい、母に弱音を吐いてしまいました。
そしてその電話の次の日に、この受賞の知らせを受けたのです。
その時、私は図々しくも、「頑張れ」と言われているような気がしました。
たとえどんなに苦しくても、本番の舞台上の幸せ、たとえそれがたったの一瞬だとしてもその深い喜びの瞬間を追って、これからも全力で踊り続けようと思います。観てくださっている人のからだの奥の奥、魂としか言いようのないところに届くような踊りを踊っていきたいです。
一層精進してまいります。
本日は誠にありがとうございました。