舞踊芸術監督
大原永子

新国立劇場が開場20周年を迎える2017/2018シーズンのバレエは、新制作の全幕バレエ『くるみ割り人形』で開幕いたします。『くるみ割り人形』はバレエファンだけでなく、世界中のお客様から絶大な人気を誇り、新国立劇場でも再演を重ねている人気演目です。今回の新制作にあたっては、2014/2015シーズンの開幕を飾った『眠れる森の美女』の改訂振付も好評を得たウエイン・イーグリングが振付を手がけます。振付家としての活躍のみならず、オランダ国立バレエやイングリッシュ・ナショナル・バレエの芸術監督を務めた実績のあるイーグリングは、新国立劇場バレエ団の特徴を理解し、さらにはバレエ団の将来を考えて、我々の財産となる素晴らしい作品を創ってくれるものと確信しております。また、2015/2016シーズン開幕公演『ホフマン物語』の舞台を彩った、装置の川口直次、衣裳の前田文子、照明の沢田祐二といった日本人デザイナー達による美しい舞台にもご期待ください。

12月にはクリスマスシーズンの人気演目アシュトン振付『シンデレラ』を上演。1月には『ニューイヤー・バレエ』と銘打って、バレエ・コンサートでも高い人気を誇る珠玉の作品群を上演します。四人の女性ダンサーによる『パ・ド・カトル』、テクニックと優雅な気品を楽しめる『グラン・パ・クラシック』、バランシンらしい躍動的な振付が光る『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』、バレエ団としての実力が問われる『シンフォニー・イン・C』、という4演目での構成です。2月には、ダレル振付のドラマティック・バレエ『ホフマン物語』、そして4月には不朽の名作『白鳥の湖』を上演し、6月には古典バレエの最高傑作『眠れる森の美女』で、シーズンを締めくくります。

2017/2018シーズンダンスでは、新国立劇場開場20周年にあたり、「舞踏の今」と題して、独自の身体表現によって国際的にも注目を浴びる2つのカンパニーの作品が登場します。11月には、洗練された美しく瞑想的な独自の世界を創り出す山海塾による「海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり」でシーズンの幕を開けます。2月には映像、照明、グラフィック・アート、舞台装置デザインなど洗練された「メディア・アート」によって国内外で高い評価を得ている高谷史郎(ダムタイプ)による「ST/LL」を上演。3月には、舞踏作品の第2弾として、ユーモアを含んだスペクタクルな世界観で観客の支持を集める大駱駝艦・天賦典式による「罪と罰」。そして6月には、2014/2015シーズンに「大人も子どもも楽しめるダンス公演」として大好評を得た森山開次「サーカス」で、シーズンの最後を飾ります。

幅広いお客様に楽しんでいただけるような多様性に富んだ、質の高い新国立劇場のバレエ、ダンス公演でありたいと願っています。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

プロフィール

橘秋子、牧阿佐美、アレクサンドラ・ダニロワ、イゴール・シュベッツォフに師事。橘バレエ学校を卒業後、橘バレエ団 を経て 1956年、牧阿佐美バレヱ団結成と同時に入団。62年に『白鳥の湖』の主役に抜擢され、以後同団のプリマ・バレリーナとして古典、創作を問わず数多くの作品に主演する。71年にアメリカに留学し、74年に渡英。ニューロンドンバレエからロンドン・フェスティバル・バレエ、さらにスコティッシュ・バレエへと移籍。77年、スイスのバーゼル・バレエに一時在籍した後、78年に再びスコティッシュ・バレエに戻り、96年までプリンシパル・ダンサーとして活躍。72年舞踊批評家協会賞、82年芸術選奨文部大臣賞、91年服部智恵子賞を受賞。95年よりスコティッシュ・バレエでコーチを務める。97年には大英勲章(OBE)を日本人アーティストとして初めて授与された。
2004年紫綬褒章受章。12年橘秋子賞特別賞受賞。14年に旭日小綬章を受章。1999年より新国立劇場バレエ団のバレエ・ミストレスを務め、2010年に同バレエ団の監督補。14年9月新国立劇場舞踊芸術監督に就任。