プロフィール

【演出・振付】デヴィッド・ビントレー  Production&Choreography:David Bintley
英国ハダースフィールド生まれ。英国ロイヤルバレエ学校に入ったが、当時英国ロイヤルバレエでは、マーゴ・フォンティン、ルドルフ・ヌレエフ、アンソニー・ダウエルなど世界的なダンサーが活躍していた黄金時代であり、フレデリック・アシュトンやケネス・マクミランが最高傑作を生み出す同時代に居合わせていた。1976年サドラーズ・ウェルズ・バレエ(現バーミンガム・ロイヤルバレエ)に入団し、瞬く間に秀逸なキャラクター・ダンサーとしての頭角を現した。アシュトン振付の『ラ・フィユ・マル・ガルデ』のアランやシモーヌ、『真夏の夜の夢』のボトム、『シンデレラ』の意地悪な姉などを演じている。ピーター・ライトに振付家としての才能を見出され、15歳で、最初の振付作品『兵士の物語』(ストラヴィンスキー作曲)を創る。この後2年も経ずにプロとしてサドラーズ・ウェルズ・バレエのために『アウトサイダー』を振り付けた。この作品には既に人物への鋭い洞察、知的で刺激的な音楽の選択などビントレーの資質が現れていたが、ここではジョージ・バランシンなどのアメリカの影響とアシュトン、チューダー、マクミランなどのイギリスの伝統的系譜がともに見て取れる。82年に3カ月間アメリカとドイツのダンスシーンを視察、この経験は間違いなくビントレーのイマジネーションを拡げ、ビントレーがもっていたイギリス的アプローチの本質に確信を与えることになった。86年から93年の間、サドラーズ・ウェルズ・バレエや英国ロイヤルバレエの振付家として活躍。93年にフリーランスになった時には世界中の7カンパニーから新制作依頼が殺到した。ピーター・ライトを引き継いで95年からバーミンガム・ロイヤルバレエ芸術監督。ビントレーの見事な振付はアシュトンやマクミランの継承者にふさわしいものである。2005年新国立劇場で『カルミナ・ブラーナ』が上演され高い評価を得た。

【作曲・編曲】カール・デイヴィス  Music:Carl Davis
1936年アメリカ・ニューヨーク州生まれ、イギリスを拠点に活動。59年にスティーヴン・ヴィナヴァーとともに『ダイヴァージョンズ』を書きオービー賞(オフ・ブロードウェイ)を受賞、61年に同作がエディンバラ・フェスティバルとロンドンで上演されたことが、BBCの『高慢と偏見』『裸の公務員』『グッドナイト・ミスター・トム』など数多くの有名なラジオやテレビ番組への進出のきっかけとなった。映画音楽の分野でも目覚しい活躍をしており主な映画音楽に『フランス軍中尉の女』『チャンピオンズ』『スキャンダル』、ケン・ラッセルの『虹』『ウィドーズ・ピーク』、マイク・リーの『トプシー・ターヴィ』『イヴの本』などがある。80年にサイレント映画の修復のために一連のユニークな音楽を作曲し、そのなかにアベル・ガンスの叙事詩映画『ナポレオン』があり、83年パリで上演され、フランス文化省は彼に芸術文化賞シュヴァリエを授与した。またロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団のサマー・ポップ・シーズンの芸術監督を8年間務めた。さらに同管弦楽団の150周年記念の一環として、彼とポール・マッカートニー『ポール・マッカートニーのリヴァプール・オラトリオ』を書き、91年リヴァプールのアングリカン大聖堂でデイヴィス指揮で初演された後世界各地で上演された。ダンスのための音楽にも特別な才能を発揮し、数多くのバレエ曲で高い評価を得ている。99年BBCコンサート・オーケストラとの映画音楽の上演でBBCプロムスにデビュー。主な受賞に2003年、映画・テレビ界への貢献によりBAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)特別生涯業績賞を受賞。同年ポーランドのAle Kino映画祭で『五月の天使』で最優秀音楽賞を受賞。07年作曲家、指揮者としての長年の音楽界への大きな貢献によりCBE(Hon)を授与された。

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